10/21、10月アート創作活動、板づくり技法でやきものに挑戦しました。

10月のアート活動は、「つくる⑤」で、茨城県県北生涯学習センターを会場に、創作活動を行いました。

 

日立アートわくわく少年団が目指すところは、学校ではできないことにチャレンジすることです。

今回は、陶芸家・前野善樹先生を講師にお招きし、ご指導をいただきました。平成25年から毎年お世話になっている前野先生は、今回は昨年度の皿づくりの発展系として、板づくり技法を生かしてのアート活動を行いました。

 

以前、どの学校にも焼窯(やきがま)があり、義務教育の中でやきもの体験をすることができました。世界にも誇れる日本の陶芸文化であることから、教科書にも紹介されています。ところが、現在は残念ながら、学校で成形から本焼きまで取り組む時間が確保できないために、やきもの体験ができないのが実際です。火山列島、良質の土粘土があるために、全国にやきもの産地が点在しています。この茨城県にも笠間があります。大学時代に陶芸と出会った前野先生は、卒業後九谷焼で有名な産地、石川県で陶芸の修業をされました。

 

最初、前野先生が板づくり技法による成形について実際に土粘土でお手本を示してくれました。再度成形の順序やポイントを確認する場となり、今回もプロの陶芸家から直接ご指導いただける貴重な機会です。  

 

前もって、前野先生が土粘土の固まりを厚さ1cmほどの板状の粘土板にスライスし準備してくれました。その高さ10cm、横幅30cmの粘土板です。植物の葉を押しつけたり、絵を描いたりして飾りをつけます。ここは子どもたちがアイデイアを大いに発揮できるところとあって、夢中になって飾り付けを楽しんでいました。  

 

以前カップ作りをしたときには、形を整えるために缶を中に入れ込みました。今回は箱形のやきものに挑戦します。高さの低い牛乳パックを2つつなぎ合わせます。  

 

  次に乾燥したときに取り出しやすいように新聞紙をまいて準備をします。そして新聞紙の上から板粘土を箱に合わせ巻ながら形を作成します。さらに、胴体に合わせ底板をどべという粘土接着剤で、きちんとつなぎ合わせます。さらに、箱に取っ手をつけたり、リボンなどの飾りをつけたりして華やかさを出します。  

 

立体的な形ができたら、最後に化粧土(ピンク・青・茶)で色をつけて仕上げます。生活にも飾って、使って楽しめるやきもの作品が完成です。  

 

  初めてやきものにチャレンジした子もいますが、すっかり陶芸の世界にとりこになってしまったようです。最後に、みんなで鑑賞会をしました。どのような思いを込め、どのような工夫をしたかを伝えました。  

 

 それに対し、前野先生からがんばった点をほめていただき、子どもたちの喜びになっています。  

 

陶芸に参加した保護者の皆様も意欲的に板づくり技法で作品作りを楽しんでいました。  

 

これからの作業は、乾燥→本焼きと続きますが、前野工房で全て前野先生が心を込めて進めてくれることになります。

やさしくご支援くださいました前野先生に深く感謝申し上げます。 

 

「にこにこ顔がいいね。前野先生といっしょに記念写真を撮るよ。はい、1タス1は2―!」 

 

9/24、9月アート創作活動、顔料でTシャツデザインに挑戦しました。

9月のアート活動は、「つくる④」で、茨城県県北生涯学習センターを会場に、創作活動を行いました。

 

日立アートわくわく少年団が目指すところは、学校ではできないことにチャレンジすることです。

今回は、染織作家・野澤寿子先生を講師にお招きし、ご指導をいただきました。2回目となる野澤先生は、昨年度の草木染めの発展系として、布専用の顔料を使いTシャツにデザインするアート活動を行いました。

 

Tシャツのかたちは極めてシンプルそのものです。それに対し、色や図柄は多種多様で、それはそれはたくさんあります。プリントにより量産されたTシャツではなく、自分でデザインした手がきによる世界にひとつしかないTシャツをファッションとして着飾ることができます。

 

子どもたちは、紙に描くことはたくさんあります。しかし、布地に描くのは初めてです。

使い古しのTシャツを持ち寄り、12色の顔料から、自分のデザインにあった色味を使い分けます。

Tシャツを着たときの姿を想像して、Tシャツの前と後ろに描きます。画用紙の場合は、後ろまで描くことはありませんので、立体感覚を必要とするアート活動です。

 

 

まず、Tシャツの中に2日分の新聞紙を入れ込みます。Tシャツの後ろまでしみ込むのを防ぐためです。青花ペンで下絵を描きます。青花ペンは時間が経つと消えてしまうので、間違いを気にすることなくのびのびとできます。いよいよ、パレットにのせた顔料を薄め液で混ぜ合わせ、筆で染めていきます。洗っても色落ちしないようにするために、必ず定着強化液「オキザールF」を混ぜ合わせることが大切です。

乾燥を早めるために、ドライヤーを使います。時には、顔料を定着させるためにドライアイロンをかけます。

 

子どもたちは、世界にひとつだけのTシャツをめざしていました。顔料だけでなく、油性のクレヨンを利用し、描いている子もいました。

 

最後の振り返りの鑑賞会では、実際にTシャツを着て、一人一人がモデルになりファッションショーを行いました。

 

ぐるりと1回転することで、前から後ろへとデザインした姿を通して、作者の思いが伝わってきます。

量産モノではありません。自分でデザインした世界に1枚しかないTシャツです。自分のテーマをもって創作したモノなので、誇りのもてる作品となりました。ちょっと照れてもいますね。

 

ひたちなか市で読み聞かせコミュニテイーの代表として活躍されている野澤先生は、最後に子どもたちへのプレゼントとして、自作の紙芝居で『ずっとずっと大好きだよ』を読んで聞かせてくれました。

 

保護者の皆様も意欲的にTシャツづくりをしました。みんなをとりこにした染織により、楽しい創作活動を通してご支援くださいました野澤先生に深く感謝申し上げます。

2歳の弟さん、4歳の妹さんもみんな一緒に仲良くチャレンジしての染織アート活動ができました。

「みんなこっちを見て。野澤先生といっしょに記念写真を撮るよ。はい、ポーズ!」

8/19、8月アート鑑賞活動、呈茶も体験。丸ごとやきもの文化を味わいました。

8月のアート活動は、「みる②」で、茨城県陶芸美術館を会場に、鑑賞活動を行いました。

 

今回、子どもたちが鑑賞した展覧会は、「第24回日本陶芸展」です。1972年に創設されたこの展覧会は、全国を代表する公募展であり、ビエンナーレ方式で開催され2年に一度見ることができます。3つの部門から構成され、特に「第2部・自由造形」は、使える器にとらわれることなく自由な発想から生み出された作品を楽しむことができました。

 

「創立5年」となる少年団として今回は、「呈茶(ていちゃ)」にもチャレンジしました。美術館と席主・海老澤宗香先生のご支援により、出展作家の茶碗で一服お茶を味わうことができました。和菓子を食した後に両手で重さを感じながら、作品の形・色味を体験しながらの貴重な鑑賞活動です。

 



審査員となり、私の選んだベスト1をテーマに、150点という多彩な作品から1点を選び出す作業をしました。

絵画と比べ、やきもの彫刻に近い立体であるために、いろんな方向から回り込みながら鑑賞を試みました。何度も行ったり来たり、離れたり近づいたりと、たくさん迷いながら、自分のお気に入り作品を絞り込む活動です。

 


それが決まったら、作品の前で簡単に形と色をスケッチしながら、その作品の魅力をつむぎ出していきます。

「よくみる」という行いは、目だけではなく心で感じ取ることがとても大切です。子どもたちは、作品をじっくり見つめてのスケッチをしました。それが手助けとなり、作り手の思いまで深く味わうことができたようです。

 


 最後に、多目的ホールをお借りして、作品トークをしました。自分が感じ取った思いを伝える作業です。

10代の子どもたちが、これまで見たことがない本物に触れ、みずみずしい感受性でとらえることができたことは、これからの宝として生きていくことでしょう。

 


 

 日立から50キロと離れたやきもの産地・笠間の送迎をいただいた保護者の皆様も一緒に、世界に誇れる日本のやきもの文化を楽しむことができました。

 


 NHK水戸放送局のインタビューを受け、自分の思いをしっかりと伝えていました。

2グループに分かれての鑑賞活動に対して、ていねいな案内をいただきました陶芸美術館の皆様に深く感謝申し上げます。

7/29、7月アート活動、茨城国体・いばラッキーの作者ミウラ先生といっしょに。

7月のアート活動は、「つくる③」で、テーマは「自分が元気になる絵をかこう」です。

今回の講師は、2019茨城国体マスコットキャラクター「いばラッキー」の作者、ミウラナオコ先生です。日立市出身で、文化服装学院でデザインを学んだミウラ先生は、卒業後アメリカ・ニューヨークに留学し、国際色豊かな感性を身に付けたイラストレーターです。

 

日立アートわくわく少年団の子どもたちのために、時間をさいて東京からお越しいただきアートの魅力を伝えてくださいました。

 


まず、準備体操です。グループ制作を通して、顔かたち、目、鼻、口とペンでイメージした形をハガキに書き込み、回しながら顔を仕上げます。

 



発想やひらめきを楽しくトレーニングしてから、いよいよ個人の制作になります。さらに課題がむずかしくなります。ハガキに水彩絵の具で9つの形を9色でいろどります。まる・さんかく・しかくは顔の形です。

 

次はペンで、思いつくままに目・鼻・口を9人分仕上げます。さらに、模様のある広告をちぎったり、切ったりして服を着せて人らしくします。

実は、お母さん達も、子どもとは別に制作を楽しみました。最後に、大きな円を作り、お互いの作品を見せ合いながら鑑賞会をしました。

 


最後にサインをかき仕上げます。それを額に入れて完成です。根気強く、細やかな制作をした子どもたちは、一人一人達成感があり、すてきな顔になっていました。

 

今回、本アート少年団創立5年を記念し、このようなビックな取り組みができたことは、やはりミウラ先生がふるさと日立を思う心とアートに対する情熱にあると思います。ミウラ先生に改めて感謝いたします。本少年団は、元気に活躍するアーティストと連携し、生のアートを通して感動体験をする中で豊かな感性を育み続けていきたいと思います。

 

ミウラ先生が子どもを対象にした県内で初めてのワークショップであったこともあり、7/30(日)茨城新聞が大きく取り上げてくださいました。子どもたちの喜びになっています。感謝申し上げます。

6月アート活動、日立市郷土博物館で作品の読み解きを楽しみました。

6月のアート活動は、「みる①」で、テーマは「わくわくこども学芸員になろう!」です。日立市郷土博物館とは初めて連携して取り組む鑑賞活動です。特別展のキャッチフレーズは「近美が日立にやってくる」。この謎めいた「近美」とは何のことでしょう?気になるところです。この「近美」とは、茨城県近代美術館を短くした愛称です。今回、「近現代茨城の美術―明治洋画から現代絵画まで」をテーマに、「近美」の約4000点をほこるコレクションから、優れた作品47点を選び展示、紹介しています。

わくわくこども学芸員のみなさんは、どの作品を選び出し、「この絵、おもしろいよ。」と紹介するのでしょうか。

洋画、水彩画、版画、彫刻の中から、どの作品1点を選ぶのか、子どもたちの直感力と感性が試されるところです。

 

まず、大森学芸員から、学芸員の仕事や展覧会などについて、お話を聞きながら全体の姿を理解します。

 


離れたり近づいたり、作品とじっくり向き合いながら、ワークシートにメモをしていきます。

 

100年前の作品と時間をかけ向き合いながら・・・。そこには波や滝の音が聞こえてくるようです。

 

次に、メモを参考にしながら、ギャラリートークに向けて、紹介文を1枚にまとめます。

 

最後に、ホンモノの作品の前で、わくわくこども学芸員となりギャラリートークを

 

ケーブルテレビJWAYの取材を受けながら、森田茂作品への思いをみんなに伝えています。

 

学校ではできない博物館での作品紹介はとても緊張したようです。ほっとして、にっこり。

大森学芸員をはじめ市郷土博物館の皆様には、貴重なチャンスを設けていただき、深く感謝いたします。

 

5/28、5月アート活動、わくわくスタンプアートを楽しみました。

5月のアート活動は、「つくる②」で、テーマは「わくわくスタンプアート」です。とても人気があり、書店には様々な入門書が紹介されています。最初は「消しゴム」によるスタンプ創作を考えていました。しかし、彫刻刀を学校で使用するようになるのは小学4年生後半からです。どうしても、先行経験がないと危険がともないます。そこで、ボールペンの先で版を作ることができるスチレン素材を使用して、スタンプアートにチャレンジです。まず、3×3cmの正方形の中に簡単なイラストや文字をデザインし、版を作ります。

 

版が完成したら、いろいろな色のスタンプ台を使い、版を連続して押すことで、スタンプアートの完成です。スタンプアートに慣れたら、真っ白な紙の袋にスタンプでデザインします。一人一人、個性的な紙バックが完成し、とても喜んでいました。

 


スタンプアートのポイントを理解し、アイデアをたくさん考えます。

 

3×3cmの小さなスタンプの世界から、楽しいアートが生まれました。

 


「いっぱい失敗したけれど、スタンプづくりのとりこになっちゃいました。」

4/29 第5期生の入団式を開催しました。

平成25年(2013)に創立された「日立アートわくわく少年団」は、今年5年を迎えることができました。市内小中学校10校から18人の子どもたちがアートを求めて集まりました。

画塾ではなくアート少年団としての活動は、全国的にもめずらしいです。

 

わくわく感を大切に、創造する力を育てたいと思います。


入団式で初めて出会い、緊張気味の子どもたちが自己紹介。

絵と文字を元気よくのびのびと胸章を制作。


粉のようなパステルを使って、指で自由自在に。

 作り上げた缶バッチを手に、初仕事に満足笑顔の子どもたち。